モートン病ってどんな病気
モートン病とは、足裏の、足指の間の付け根の部分に、しびれ・痛み・腫れが生じる病気です。特に、3番目と4番目の指の間に多く発症しますが、ほかの指の間でも起こる場合があります。
写真のように、足はアーチ型の構造によってバランスを保っていますが、足に大きな力が加わると、アーチの上の部分にあたる、2番目や3番目の指に力が集中してしまうのです。特に、3番目の指の方が、かかる負担が大きいことから、3番目と4番目の指の間に起こりやすいといわれています。
神経障害の一種のモートン病は、足底を通過して指先に伸びる神経が、指と指をつなぎ止めている深横中足靭帯と、地面の間に挟まれた状態で、常に圧迫されることが原因で起こります。
そのため、ハイヒールや先の細くなった靴、サイズの合わない靴の常用や、長時間歩くことによって、起こりやすくなるのです。
幅の狭い靴を履き続けた中年の女性に多くみられることから、靴を履く時間が長くなることで、発症の割合が増えると考えられています。
モートン病に多くみられる3つの症状とは
足底を通過する神経が、靭帯によって圧迫されて起こるモートン病には、以下のような3つの症状があります。
しびれ・知覚障害
一般的に、3番目と4番目の指の付け根から、指先にかけてしびれを感じます。(下の写真の青丸部分)
しびれの症状は、「ピリピリ」「ビリビリ」「チクチク」など、人によってさまざまです。
また、しびれと同様に範囲に、知覚障害を発症する場合があります。
指先を刺激しても感覚が鈍くなったり、指先が麻痺して感覚がなくなる場合もあります。
腫れ
モートン病は、足の神経が圧迫されることによって、圧迫された部分に神経腫が形成されることから、別名モートン神経腫とも呼ばれています。
神経腫による腫れは、深横中足靭帯によって神経が圧迫される部分にみられ、靴を履くことでひどくなる場合があります。(下の写真の赤丸部分)
痛み
深横中足靭帯の圧迫によって生じる神経腫は、ほとんどの場合、有痛性でさまざまな痛みを引き起こします。神経腫の部分(写真の赤丸部分)を圧迫した際に痛むほか、靴を履いて歩いた際に、指の付け根から指先にかけて(写真の青丸部分)、電気が走ったような痛みや、焼けるような灼熱痛を感じます。
そのほかにモートン病は、レントゲンや筋電図、MRI、超音波などの検査によって確定できるため、気になる場合は、整形外科へ相談するとよいでしょう。
モートン病の治療法
まずは、ハイヒールや先の細くなった靴、サイズの合わない靴は禁止です。患部を安静にし、つま先に余裕のある靴をはきましょう。その際、足底挿板や足底パッドなどの装具を用いて、足のアーチを再構築します。
また、痛みを止めるために、内服薬剤やブロック注射が用いられます。
さらに、運動療法などで様子をみて、3ヶ月ほど経っても、改善されてない場合は、神経腫摘出や深横中足靭帯切離の手術が必要になることもあります。