足裏のしこりと痛みを感じたら、それは足底線維腫かも
足の痛みや違和感は、とても嫌な思いをするもの。足裏マッサージや足つぼが健康にいい根拠の一つは足に神経が集中しているからですが、逆に言えば足は感性が強く痛みや違和感を感じやすくなっているという事でもあります。
その為、ちょっとした足の痛みなどは何かの拍子に起こったものとして見過ごしてしまう事がしばしばありますが、足の裏にしこりを伴っていた場合、それは「足底線維腫」の可能性があるのです。
足裏に起こる良性腫瘍「足底線維腫」
足底線維腫とは足裏、特に土踏まずにある足底腱膜を中心に発生する良性の腫瘍です。増殖力が高い為、ガンと勘違いしてしまう人も少なくありませんが、良性腫瘍なので癌細胞に変化する恐れはありません。
足底線維腫が発生すると、患部にしこりを感じるようになり立っているだけでも足裏にコリコリとした違和感が出てきます。歩くとしこりが押し込まれて痛みを感じるようになり日常生活に支障をきたすことさえあります。
足底線維腫が発生する原因は、足裏から足底腱膜への刺激が繰り返される事や感染などが考えられています。
命に関わらないけど見た目はヤバイ
足底線維腫は良性腫瘍であるため、滅多に命に関わる可能性はないものと言えます。しかし、良性腫瘍であっても悪性化によって癌などの悪性腫瘍に変異する事がないわけではないので、油断は禁物です。
しかしそれ以上に、足底線維腫が厄介なのは患部の見た目です。初期の足底線維腫は、皮膚の盛り上がりも小さく目立たない程度なのですが、進行していくと皮膚の盛り上がりがどんどん大きくなり、タコや魚の目どころではない大きさにまでなってしまうのです。ここまで行くと足裏が地面に接していなくても痛みがあるし、歩行困難にもなってしまうのです。
場合によっては治療しないことも
足底線維腫の治療に当たっては、足裏に起きているしこり・痛みの正体が何であるかを検査で調べる事から始まります。見た目で判断できないサイズの腫瘍であってもエコー検査で発見する事ができるので、足底腱膜炎との区別をつける上でもエコー検査は欠かせません。
足底線維腫の場合、主な症状が足裏の痛みや違和感なので他の部位にできた良性腫瘍よりも穏やかなものと言えます。その為、大きさなどによっては積極的な治療を行わないこともあります。
エコー検査で足裏に腫瘍がある事が分かった場合、腫瘍の大きさや患者自身が感じる痛みの度合いなどを勘案した上で腫瘍の切除を決めます。足の痛みが日常生活や競技などに影響を及ぼすレベルであったり、腫瘍が大きすぎて歩行に支障をきたしていたりする場合は、切除を勧められます。