足が臭いのは「足蹠多汗症」かもしれません
「多汗症」というのは聞いたことがあるのではないでしょうか?文字通り、汗を多くかいてしまう症状のことです。誰だって汗をかきますが、多汗症は発汗が異常に多いのが特徴です。
汗の量は他の人と比べにくいため、自分の汗がどれだけ多いのかわかりにくいと思いますが、多汗症は日常生活に支障をきたすほどの汗をかきます。
そして、全身に過剰な汗をかく全身性多汗症と、特定の部位に汗をかく局所性多汗症があります。
足蹠多汗症(そくせきたかんしょう)は、足の裏に過剰な汗をかいてしまう疾患ですが、汗で靴下が濡れ、床に足跡がつくほど汗をかく場合もあります。
足蹠多汗症の原因は?
足蹠多汗症をはじめとする多汗症は、交感神経のバランスが乱れることが原因で起こります。運動や室温などによる体温の上昇とは関係なく、交感神経の乱れによって発汗作用が促進されてしまいます。
脳が多くの刺激に敏感に反応してしまうため、脳→交感神経→汗腺と指令が伝わり、過剰な汗として症状が出てしまうのです。 br> 多汗症の原因は精神的なものであると思っている人も多いですが、交感神経の乱れが原因です。 /p>
緊張した時に症状が出やすいのはどうして??
多汗症の原因は交感神経の乱れですが、緊張した時にも症状が出ます。多汗症の場合、緊張すると発汗の症状が強く出てしまうのです。
多汗症の人でなくても、緊張したりすると汗をかきます。多汗症の人は、この発汗が過剰になってしまいます。
足蹠多汗症はメンタルにも悪影響
多汗症の人の多くは、小さい頃から症状が出ている人が多いとされています。
「汗で靴下が濡れていたらどうしよう」「足が臭いと思われているのではないか」などの不安から、積極的になれなかったり、汗が気になることで行動が制限されてしまったり…メンタルにも悪影響を与えてしまいます。
足蹠多汗症などの多汗症は、汗をたくさんかくので日常生活に支障があったり、自信を持てないなどメンタルへの悪影響はありますが、内臓の機能などに異常もなく、生命に影響ありません。
そのため、小さい頃から症状に気付いていても「自分の体質が変わっているから」などと諦めてしまい、病院で相談することなく、発見されずに経過してしまう場合が多いのです。
4%が多汗症と言われている
全人口の4%もの人が多汗症であるとされ、珍しい病気ではないと言えるでしょう。
足蹠多汗症のほかに、手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう)・腋窩多汗症(えきかたかんしょう/わき多汗症とも言う)などがあります。
多汗症の治療方法/病院
多汗症は皮膚科や美容皮膚科で治療が可能です。
精神的な要因が大きい場合は、精神科やメンタルクリニックの受診が必要になりますが、まず皮膚科・美容皮膚科を受診すると良いでしょう。
また、多汗症にはさまざまな治療方法があり、症状の重度によって治療法が異なりますが、主に次のような治療方法があります。
薬物療法
緊張が症状を強くすることから、抗うつ剤や安定剤が処方されることもありますが、汗を抑制する薬が処方されることもあります。
また、汗が出るたびに塗布する外用薬による治療もあります。「塩化アルミニウム」を塗ることで、発汗抑制の効果が得られます。
ボトックス注射
汗腺の働きを抑えて、発汗を減らすことができます。また、アポクリン汗腺という汗の臭いの原因となる汗腺の働きを抑制することもできるので、汗の量だけでなく汗の臭いを抑えることができ、高い効果が期待できます。
治療は10分程度で済み、体に負担がすくないのですが、効果は半年~1年程度とされています。
手術療法
発汗の原因となる交感神経を切断したり、クリップでとめるなどの手術で多汗症を改善することができます。…が、代償性発汗や皮膚の乾燥などの副作用が生じる可能性もあります。