足裏に角質がいっぱいたまる理由
人間の皮膚は、表皮、真皮、皮下組織の3層で作られています。
皮下組織で新しい細胞が作られることによって皮膚の細胞は常に水分が保たれた状態がキープされています。
そして、古くなった表皮は、垢としてお風呂やエステなどではがれ落ちていきます。
皮膚の代謝のサイクルをターンオーバーといいますが、それは健康な人であれば、およそ28日間といわれています。
つまり、人間の肌は1ヶ月弱で生まれ変わってるともいえます。
しかし、表皮の死んだ細胞がはがれ落ちず蓄積していくことがあり、それを角質と呼びます。
それらは本来異常なものではなく、皮膚の壁となり外部からの強い刺激から真皮を守ったり、体内から水分が過剰に蒸発していくことを防いでくれます。
足裏にそれらができやすい理由として、人間は常に足を酷使していることにあります。
長時間に及ぶ立ち仕事、激しい運動、慣れない靴で歩いたりすることにより、足には非常に負担がかかっています。
全体重がかかっているだけでも細胞にとっては負荷であるのに、さらに強い刺激が加わることにより、足の裏の皮膚の細胞は、真皮をしっかりと守ろうとし表皮の細胞をはがれ落ちさせずに、保持することによって、一種のクッションのような役割としているのです.。
足裏の角質は悪臭の原因ともなる
現代人、特に多くの男性が気にしているのが足の臭いです。
足の臭いは自分が不快になるだけではなく、他人にも不快感を与えてしまいます。
足の臭いが原因で、人の家に行きづらくなったりもします。
足の臭いの原因には、実は角質が大きく関係しています。
臭いの直接の原因といわれているのは、足の表皮に潜んでいるブドウ球菌やコリネバクテリウムといった微生物です。
これらの微生物は、靴を履いていることにより蒸れて柔らかくなった古い表皮の細胞を活動源として分解することにより臭いを発生させているのです。
さらに人間の足裏は体温が上昇しやすいため、エクリン汗腺が多く分布しており、1日でコップ一杯、およそ200mlもの汗をかくともいわれています。
靴を履いている間は、通気性が良いと謳っている靴を履いても、靴下をはいているだけでいるよりかは通気性が悪く、汗をかきやすくなるため、常に蒸れて微生物が発生しやすい環境になっています。
そこで発生した細菌が増殖することにより、足の臭いが強くなり、増殖した細菌が靴に残ってしまい、靴も臭くなるという状況が引き起こされます。
つまり、微生物の食料となるものを少しでも減らすことができれば、足の臭いの予防にもつながります.。
足裏の角質の正しいケアの方法について
足裏の角質を取り除く方法として、昔から軽石やヤスリなどで削って取り除くという方法があります。
その場で削って取り除くことができて、気になる部分を集中的に削り取ることができるので広く普及しています。
しかし、一部分を集中的に強い力で削り取ると、表皮を傷つけてしまったり、乾燥してガサガサになってしまったりします。
削り取る際の摩擦によって皮膚が刺激され、たまりやすくなり、臭いの元となるという悪循環に陥ってしまいます。
フットケアをする際には、まずは湯船やフットバスなどで足を温めて皮膚に水分を持たせます。
水分を十分に持たせることにより柔らかくなり、後のケアがしやすくなります。
均一に削り取るために、こする部分の皮膚をピンとはり、しっかりのばします。
軽石やヤスリを使って皮膚のカーブにあわせて一方方向に優しくこすります。
スクラブ剤などで表面を優しく整え、滑らかにして保湿します。
ケア後は皮膚が乾燥しやすいのでしっかり保湿します。
足の裏も皮膚なので、化粧水やクリームを使ってしっかりケアすることが大切です。
最近は、フルーツ酸やリンゴ酸といた植物由来の酸を利用した、削り取らないケアの方法が登場しています。
摩擦を与えないので、皮膚に優しいケアといわれています。